こんにちは。
倉持建設工業、東京オフィスの山崎です。
いつの間にかお盆の時期になり、決算短信の出る時期になりました。
外食系とか旅行系が大打撃、というか壊滅的被害にあっていますが、それはいろんな人があれこれ書いてくれると思いますので、ここでは我々の業界に的を絞って見てみます。
以下、建設業界の代表的な企業の決算短信を列記します。
心臓の弱い人は見ないほうがいいかもしれません。
※一億円以下切り捨て
■鹿島建設
4-6月期 売上高 4,407憶円 +3.2% 経常利益 414億円 +82.3%
通期予想 売上高 1兆1,700億円 -10.3% 経常利益 1,050憶円 -12.9%
■大林組
4-6月期 売上高 4,151憶円 -7.1% 経常利益 -20.3%
通期予想 売上高 1兆8,600億円 -10.3% 経常利益 1,260憶円 -20.8%
■大成建設
4-6月期 売上高 2,687憶円 -23.1% 経常利益 200憶円 -28.4%
通期予想 売上高 1兆4,500億円 -17.2% 経常利益 840憶円 -51.5%
■清水建設
4-6月期 売上高 3,142憶円 -23.6% 経常利益 1,755憶円 -42.8%
通期予想 売上高 1兆4,850億円 -12.6% 経常利益 840憶円 -39.1%
■五洋建設
4-6月期 売上高 1,148憶円 -20.7% 経常利益 85憶円 +4.5%
通期予想 売上高 4,930億円 -14.1% 経常利益 270憶円 -17%
4-6月期 売上高 1,719憶円 -10.5% 経常利益 109憶円 -37.8%
通期予想 売上高 8,000億円 -5.4% 経常利益 700憶円 -17.9%
4-6月期 売上高 8,929憶円 -12.3% 経常利益 614憶円 -34.3%
通期予想 売上高 3兆6,500億円 -16.7% 経常利益 1,640憶円 -55.4%
あくまで前年同期比ですが、凄まじい下げ方です。経常利益ベースでは、前年から10~50%の下げ幅です。リーマンショックで建設不況が底を打って以降、基本的には右肩上がりに推移してきた建設産業の売上高は、ここから下げに転じる可能性も見えてきました。
以下は、各社の売上・利益減の分析です。
■鹿島建設
「国内建設市場におきましては、公共投資は底堅く推移した一方で、民間設備投資は発注手続きの停滞などにより減少傾向になりました」
■大林組
「海外建築事業において新型コロナウィルス感染拡大に伴う一部工事の中断が影響する」
■大成建設
「民間設備投資や民間住宅投資は弱含んでおり、先行き不透明な状況となっております」
■清水建設
「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から企業収益や個人消費が急速に減少し,雇用・所得情勢にも弱い動きがみられるなど,先行き不透明な厳しい局面」
■五洋建設
「当社グループの海外拠点であるシンガポールで新型コロナウィルス感染症拡大防止のためのロックダウン(4/7~6/1)が行われ、建設工事もほぼ全面的に中断されました」
■長谷工コーポレーション
「新型コロナウイルス感染症の影響下において、大規模修繕工事・インテリアリフォームにおける修繕工事の施工量が減少し、新築マンションの販売受託におけるマンション販売モデルルームへの来客数減少に伴い契約戸数が減少したことに加え、不動産流通仲介における仲介の取扱件数の減少や、分譲マンション管理におけるマンション専有部及びマンション共有部の工事施工量の減少」
■大和ハウス工業
「住宅市場は、新設住宅着工戸数でマンションのみ前年比プラスとなったものの、全体では前年比マイナスとなりました。一般建築市場においても、建築着工床面積で倉庫のみ前年比プラスとなったものの、他の使途は減少し、全体では前年比マイナスとなりました」
概ね非常に厳しい現状分析をしています。
各社とも(大和ハウスは悲観的)、ここからの回復を想定しているようですが、新型コロナウィルスの感染拡大が収まらず、再び緊急事態宣言が出されるような局面となったり、東京オリンピックが開催できないような状況に陥った場合、想定されるような需要の回復は見込めないのではないかと思います。
建設業に携わる者として、今後も状況を注視していきたいと思います。
東京オフィスからは以上です。
※決算短信 証券取引所に上場している企業が開示する義務がある決算の速報のこと。
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