太陽光発電全量買取制度って結局どうなったの?と思ったときに読む話

こんにちは。

倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。

木曜日は専門技術デー。

ということで、昨日の英語の記事でも少しふれましたが、日本の全量買取制度(FIT)が今どうなっているのか、ざっくりお話しさせていただきます。

後半では、我々地方の中小企業が利用可能なあれこれを書いていきますので、ちょっと眠いところがあっても我慢して読んでください(笑)


さて、2011年に、先行する欧州の制度をまねて、日本版のFIT(固定価格買い取り制度、Feed in Tariff)が始まりました。

これによって、再生可能エネルギーの導入量は、2019年の実績で2.6%から11.1%と、飛躍的に伸びました。

しかしながら、FITはあくまで太陽光産業が独り立ちするための補助輪のようなものです。

成長したら補助輪は外さなくてはいけません。

現にFITが終わったドイツやスペインでは、いったんは落ち着いた再エネの導入量が再び伸び始めています。驚くべきことに、世界の視点では、再エネのコストが火力発電を下回りました。


日本では、主に以下のように変わっていくことになっています。


①FITはやめてFIPという制度に移行する

FITをやめるのはいいんですが、せっかく普及し始めた再エネの目をつぶすのはよくありません。そこで、再エネ事業者が頑張ればちゃんと適正価格で卸売市場で売電できるような仕組みを作ろうよ、ということになっています。

②自家消費を推奨

FIPも結構なんですが、そもそも自分ちで使ってもらうのが一番!ということで、自家消費が推奨されています。しかし、FITが終わって余剰配線ができなくなると、絶対に余らない分の発電しかできないという問題があります。

ちょっとでも余るとブレーカーが全部落ちちゃうんですね。

工場などで膨大な屋根面積があっても、絶対に余らない分しか太陽光パネルを設置できないので、ほんのちょっとになってしまいます。

③地域活用案件

②の問題を解決するために、発電量の70%以上が自家消費できる場合という条件で、地域活用案件というのが定められました。

これは、地域が災害に見舞われた場合、太陽光があれば電気に困らなくていいじゃん、ということで、レジリエンス(災害にたいする強さのようなものと思ってください)が向上するような設計ができる場合、余剰配線を認めるよ、というものです。

これは実はすごい助かります。売電はほとんどできませんが、それよりも余計なコストを考えずに最大限の太陽光パネルを置ける可能性があるからです。


地域に役立つ分散電源

今後、日本の人口は減っていきます。これまでのように、遠くでたくさん作った大容量の電力を、送電鉄塔で各地に送り届けるシステムは、いずれうまくいかなくなると思います。維持コストが賄えない地域ができてくるだろうからです。
しかし、システム価格が世界では火力発電よりも安い再エネなら、地球がある限り電力を届けることができます。

たとえば、小学校や市民センター、図書館のようなところに、自立型の電源を供給できれば、電気代を心配することなく、電力を用いたサービスを提供できます。

具体的にはエアコンです、エアコン!

地方の小学校では電気代の節約でエアコンが十分入れられないと聞いています。
こんな暑い中エアコンなしでは絶対に勉強できません。ていうか倒れます。

他にも、今後EV(電気自動車)が普及することは間違いないので、そこにも電力を供給できますし、地域が団結して、蓄電池などでオフグリッドを目指してもいいと思います。

時代はどんどん変わっていきます。
我々も、地域の人々のためになるような提案をしていけたらいいですね。

東京オフィスからは以上です。

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