こんにちは。
倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。
昨日インスタでもあげましたが、倉持建設工業に、ICT搭載の0.7m3のバックホウが納品されました。
昨日は面接もあり、僕も本来は納品に立ち会うはずだったのですが、新型コロナウィルスの濃厚接触者になるというハプニングがあり(PCR検査は陰性でした)、残念ながらいけませんでした。(そんなことある?)
社員の感想はかなり良好で、きちんと図面を作り込めれば、これまでの3分の1程度まで工数を抑えることができるのではないかという感じでした。
3分の1はすごいですね。
そこで、今日は、建設現場へのICT※の活用と、その未来について書いていきたいと思います。
日本の生産性は低い が、建設業の生産性はその中でも低い
日本の建設業について、これまで何度となく指摘されてきたことですが、その生産性は著しく低いと言われています。日本自体の労働生産性がそもそもOECD加盟国中21位と、どんびきするくらい低いのですが、その日本にあって建設業の労働生産性はずば抜けて低いです。
下のグラフは、1995年~2014年の、労働生産性の推移を、全産業、製造業、建設業で比較したものです。
全産業が27.4%伸びているのに対して、さすが製造業は61.8%も伸びています。しかしながら建設業に至っては逆に6%下がっているのです。労働生産性は、実質付加価値額(売上)÷労働者数ですから、近年、建設現場で人手不足が叫ばれているのは、単純に人手がいないからではなさそうなことがわかります。
逆に我々は、仕事に人手をかけすぎているのです。
もちろんこういうことを言うと、次のような批判があります。
1)建設業と製造業は違う。製造業は機械化できるが建設業は手仕事だ
2)理屈と現場は違う
3)人の仕事を奪うのか
どれも一見もっともらしく聞こえますが、一つ一つ検証していきましょう。
1)建設業と製造業は違う。製造業は機械化できるが建設業は手仕事だ
この理屈が成り立つためには、日本だけではなく海外の建設業の生産性も低いという事実が必要です。なぜなら、もし海外の生産性が高ければ、彼らは何らかの方法で労働者数を抑えているはずだからで、それを日本ではできないという理由がないからです。
下のGIFはマッキンゼイのHPから引用したものです。
マッキンゼイは他の産業に比べて建設業の生産性が伸び悩んでいる、という趣旨で記事を書いていますが、それでも世界の建設業の生産性は1995年対比で20%伸びています。日本とは大きな違いがあります。(ちなみに製造業96%伸びています。日本ももっとがんばらないと)つまり、建設業と製造業の生産性に開きがあることは、他国の例を見ても傾向として仕方がない事ですが、だからといって建設業の生産性が伸びないのが当たり前というわけではない、ということです。
たとえば当社では、GNSS測量※を導入しました。人工衛星からのデータを用いて、ドローンとの組み合わせでどんな地形でもすぐに図面化できます(PCの処理時間は必要)。
すでに作成した図面の上を歩けるので、データを受信できるデバイスさえあれば、スケールも図面も必要ありません。
また、手元※が必要なくなるので、熱中症や接触事故の心配も大幅に減らすことができます。
建設業に手仕事がつきものなのは当然ですが、手仕事がゼロにならないとしてもなるべく減らしていくのと、手仕事なんだからとすべて手仕事でやっていくのとでは、意味が全く違うと思います。
2)理屈と現場は違う
3)人の仕事を奪うのか
※ICT ICTはInformation and Communication Technology(情報通信技術)の略。IT(Information Technology;情報技術)と使い分けされることもあったが、そもそも通信が関わらない情報技術と言うものが存在しなくなってきたので、海外ではもっぱらICTと言う事が多い。
※GNSS測量 GPSを使用する測量技術。GNSSとはGlobal Navigation Satellite Systems
(全地球衛星測位システム)のこと。
※手元 建設現場で、重機のそばに配置され、位置や高さの指示を出したり、雑用を行ったりする工種。
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