エンタメデイ 特撮① ウルトラセブン 地球はノンマルトの星なんだ!人間こそ侵略者なんだ! 編

こんにちは。

倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。

今日ご紹介したいのは、僕の好きなウルトラマンシリーズの中でも異色の名作、『ウルトラセブン』から第42話「ノンマルトの使者」。

ウルトラセブンは型破りなウルトラマンでした。もともとウルトラマンシリーズではない、別の企画から生まれた作品ということもあり、①敵は基本的に侵略者 ②ウルトラセブンと地球人であるアンヌ隊員が恋に落ちる ③善悪では割り切れない葛藤がある、など、おおよそ子供向けとは言えないコンセプトで人気を博していました。

僕は再放送世代(っていうかウルトラファイト世代)ですが、祖父の家にウルトラセブンのビデオがあり(ベータでした。VHSじゃなく)、遊びに行くたびに食い入るように見ていたのを覚えています。

前述のように、基本的には地球に侵略してくるなんとか星人とウルトラセブンが戦う話なのですが、一話だけ例外があります。

それが第42話「ノンマルトの使者」。

正確には侵略者らしきものは出てきます。この話の中に登場するノンマルトの主張によれば、人類こそが侵略者なのです。

ウルトラ警備隊のモロボシダンとアンヌ隊員が海岸でバカンスしていると(今思ったのですが、こいつらは任務中に何をやっているのでしょう)、一人の少年が警告してきます。
海底はノンマルトのものなので、海底の資源調査船を引き揚げさせろというのです。

それから、海底資源調査船が次々と怪獣に襲われる事件が続きます。
ウルトラ警備隊は怪獣を撃退しますが、例の少年(真市くん)が電話してきたところによると、倒したのは怪獣ガイロスで、ノンマルトではないらしい。
真市くん、いわく、人間こそが地球を侵略していて、本当の地球人は海底にすむノンマルトだということです。
これを聞いたダンの顔色が真っ青になります。
なぜなら、ウルトラの星の言葉では、ノンマルトは「地球人」という意味だからです。

ふたたび怪獣があらわれ、返信しようとするダンの前に真市くんが立ちふさがります。

「ノンマルトは悪くない!人間がいけないんだ!ノンマルトは人間より強くないんだ!攻撃をやめて!早くとめて!ノンマルトがやられちゃうよ!ノンマルトが可哀そうだ!とめて!とめて!」


それでも怪獣ガイロスを倒さなければ人間たちが死んでしまいます。ダンは涙ながらに訴える真市くんを振り切り、ウルトラセブンに変身します。

そして、ウルトラセブンがガイロスと戦っている間、ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長は海底にあったノンマルトの都市を発見します。


「…我々人間より先に地球人がいたなんて……そんな莫迦な……やっぱり攻撃だ」


ガイロスはセブンに倒され、人間たちは助かりました。

そして、ウルトラ警備隊はノンマルトの都市を次々と攻撃し、ノンマルトたちは爆撃で全滅してしまいます。


「ウルトラ警備隊全員に告ぐ!ノンマルトの海底基地は完全に粉砕した。我々の勝利だ!海底も我々のものだ!」


すべてが終わって悩むダンにアンヌ隊員がしなだれてきます。


「ダン!無事でよかったわ。早く帰って乾杯しましょうよ」


なかなかの神経の持ち主です。そこに例の真市くんがやってきます。


「ウルトラ警備隊のバカ!!地球はノンマルトの星なんだ!人間こそ侵略者なんだ!」


どこかに消えていく真市くん。

この後、真市くんがすでに2年前に亡くなった子供の霊であったことを知るのですが、ダンはショックを受けて自問自答します。


「真市君の言った通り、もし人間が地球の侵略者だったとしたら、ウルトラ警備隊の一員として働く僕は、人間という侵略者の協力をしていることになる……だが、ノンマルトは本当に地球人だったのか?」


モロボシダンとは仮の姿。本来の彼は宇宙の平和を守るウルトラ一族の一員です。もし本当にノンマルトの主張が正しければ、ウルトラセブンである彼が、侵略者に肩入れしたことになります。

ノンマルトが絶滅した今、それは永遠の謎となってしまったのでした。


東京オフィスからは以上です。


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