実録 現場奮闘記 三重① 始まらない電気工事 編

こんにちは。

倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。


今回も過去現場での経験を書き記して行きたいと思います。

もう5年ほど前のお話ですが、2015年8月、僕らは関西にいました。

今思うと頭のおかしいスケジュールなんですが、僕たちは2015年8月、9月の2か月間で、6件の太陽光の高圧工事を関西で請け負っていました(ちなみに関東では低圧8件、高圧1件が動いていました。当時、寝ていた記憶がありません)。


そのうちの一つですが、三重県いなべ市に、宇賀渓という風光明媚な観光地があって、キャンプ場なんかで有名なんですが、そこで太陽光発電の電気工事のお仕事がありました。

560kWの高圧の電気工事全般をお願いされて、事前に確認し、その日から電気工事ができるということだったので、2015年8月13日に乗り込みました。お盆でしたが、無理を言って人を集めてもらったことを覚えています。

僕だけ前乗りせずに新幹線の移動でしたので、当日10時ころに現場についたのですが、明らかに現場の空気がおかしい。おかしいというか、重たい。

悟空がナメック星に行くときに修業した宇宙船の中の重力室くらい重たい(わかりにくい)。

さすがの僕も、これは何かあったな、と思い現場に入っていくと、そこでは。。。


うちの現場監督が、元請け社員をならべて説教しているではありませんか。


一体、こいつは何をやっているんだ?

うちの現場監督(大岩さん)を捕まえて僕は言いました。お客さんに向かってその口の利き方はどうなんだ、と。

そこで、大岩さんは黙って現場の方を指さしました。


ちなみにこの現場は、敷地の半分が岩盤で、杭基礎が打てないので、杭基礎と置き基礎のハイブリッドだったのです。僕らは、13日乗り込みだったので、すでに太陽光モジュールを、最低でも張り始めているのだろうと思ってきました。電気屋さんも用意しました。

しかしそこに広がっていた光景は。。。


平原でした。

え?

なにこれ?

道間違えたかな?


なんと、その現場、工事が遅れに遅れており、電気工事どころか、機械工事もスタートしていなかったのです。

いや、言えよっ。

俺たち来る前に言えよっ。

どうするんだよ。

俺たち電気屋だぜ?

やることないぜ?


と、まさに僕が思ったことをうちの現場監督が説教していました。

はぁ。出戻りか。まぁしょうがない。

怒ってもしょうがないでしょ。

引き上げようぜ。

そう言う僕に大岩さんは厳しい顔で言いました。


「系統連系(工事終わらせないといけない日)が21日」


・・・・・・・・・・・。


「9月21日?」

一縷の望みをかけてそういった僕に、大岩さんは無慈悲に言い放ちました。

「8月21日」


今日は、8月13日です。

8月21日というのは、ひょっとすると、来週じゃないでしょうか?

あと、さきほどから視界に入っていて無視していたのですが、あそこに見えるのはキュービクルの基礎の型枠を組んでいる光景じゃないですよね?

これからコンクリ打設するわけじゃないですよね?


ほぼゼロからのスタートで、タイムリミットが一週間?

絶望というのはこういう気持ちのことを言うのだと僕らは知ったのでした。


(続く)



(当時こなした現場の一つ。思えば水上フロートの太陽光を初めてやったのはこの時でした)


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