電気通信工事施工管理技士に挑戦しよう③ 計算問題は捨てよう 編

こんにちは。

倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。

今日は一応、コンデンサをやりますが、わからない人は飛ばしていいと思います。たぶん。


コンデンサというのは電池のようなものと考えてください。違いますけど、その方が理解しやすいと思います。

コンデンサは絶縁体を二つの金属板で挟んだもので(この絶縁体を誘導体という)、下図のように電荷が溜まります。

この溜まった電荷(電気の量と思ってください)をQ[C]と表します。

そして、このQ[C]をどのくらい蓄えることができるかを、静電容量(キャパシタンス)と呼び、C[F]で表します。

これ、めちゃくちゃわかりにくいんですか、Qの単位が[C(クーロン)]で、Cの単位が[F(ファラド)]です。

これをごっちゃにすると、詰みます。でも計算途中でよくどっちがどっちか見失います。


このQ(電荷)とC(静電容量)、そしてV(電圧)の間には、下のような式が成り立ちます。


Q=CV[C(クーロン)]  C = \frac{Q}{V}\,[F(ファラド)]


とりあえず、これも暗記です。理屈としては、ある静電容量(C)を持つコンデンサに電圧(V)をかけると電荷(Q)が得られ、電荷(Q)を電圧(V)で割ると、静電容量(C)がわかるということになりますが、暗記しましょう。

まだまだ覚えることがあります。

この電極版ですが、この面積をS[m2]、電極版の間隔をd[m]と表し、誘導体の誘導率ε[F/m]、そして電圧[V]には以下の関係式が成り立ちます。

{\displaystyle C={\frac {Q}{V}}={\frac {\varepsilon S}{d}}}

もう、あきらめましょう。あきらめて暗記しましょう。一応解説しておくと、静電容量は、電荷を電圧で割って求められるんですが、これは電極板の面積を電極板間の距離で割って、誘電率をかけると求められる、ということになりますが、暗記しましょう。

あと、εですが、たいていの場合、真空の誘電率ε0と比誘電率εrをかけたもの、つまり、

ε=ε0*εr となります。

覚えましょう。


まだあるんですが。。。

これ、本当に覚えないとだめなんだろうか。

このコンデンサですが、コンデンサに蓄えられる、静電エネルギー(静電容量とは違います。仕事量です)は、以下の式になります。

{\displaystyle U={\frac {1}{2}}(q_{1}\phi _{1}+q_{2}\phi _{2})={\frac {1}{2}}Q(\phi _{1}-\phi _{2})={\frac {1}{2}}QV}

{\displaystyle U={\frac {1}{2}}CV^{2}={\frac {Q^{2}}{2C}}}

暗記する式はこれで終わりです。長い戦いでした。


実際の問題を解いていきましょう。



これは式に当てはめれば一瞬で解けます。

S=0.4m2、εr=3、d=4mm(0.004m)、真空の誘電率をε0とする、とあります。


誘電率はεrとε0をかけてあげればいいので、3ε0となります。

{\displaystyle C={\frac {Q}{V}}={\frac {\varepsilon S}{d}}}

なので、

C=0.4/0.004*3ε0

  =300ε0

dがmmなので、mに直すことさえ忘れなければ余裕です。

面積を距離でわる、ということだけ覚えておきましょう。

なんかもう1問あります。


これも式に当てはめればいけそうです。

d0=0.02mm(0.00002m)、S=100[cm2](0.1m2)のコンデンサに、
d1=0.01mm(0.00001m)、εr=10の誘導体を差し込んで、電圧24Vを印加したときの電荷を求める問題なので、

Q=CV[C(クーロン)]  

   
{\displaystyle C={\frac {Q}{V}}={\frac {\varepsilon S}{d}}}  
で解けます。

ただし、誘電体は、真空ε0と、そこに差し込まれたε=ε0*εrの2種類があり、これは2つのコンデンサが直列に接続されていると考えることができます。


直列、ラッキー、計算が簡単じゃん、足すだけじゃんと思ったあなた、

世の中そんなに甘くありません。さっきあえて説明しなかったのですが、コンデンサは抵抗のときと逆です。つまり、コンデンサが並列の時は単純な足し算でいいんですが、直列の時は、逆数の計算をしないといけないのです(えーーーーっ)

しかもちょっとばかり計算が複雑で、

\frac{1}{C_\mathrm{total}} = \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2} + \cdots + \frac{1}{C_n}

となります。


つまり、この場合、Cは、ε0*S/d とε0*εr*S/dを計算しないといけないので、


1/C=1/ε0*S/d+1/ε0*εr*S/d となります。

εr=10なので、

1/C=1/ε0*S/d+1/ε0*10*S/d

      =11d/10*ε0*S

逆数なので、

C=10*ε0*S/11d


Q=CVなので、


Q=10*ε0*S/11d*24[V]

ここに、条件の数字を代入すると、Q=0.19[μC]

となります。

うん、わかった。

捨てよう。

この問題が出たら捨てましょう。

これ解いてる間に、文章問題解いた方がたぶんましです。


この後、教科書で行くと、磁界とインピーダンスがあるんですが、もうやめます(爆)。

だってこれ全部できても、40点中3点にしかならないんですよ。

効率悪すぎる。

ちょっと冷静に考えたんですが、


1~3が計算問題です。4~12が通信工学の文章問題。ここから9問選択です[9]。

13~32が、7問選択の電気通信設備の文章問題。[7]

33~44が、7問選択の法規の文章問題。[7]

45が法規の必須問題[1]

46~52が3問選択の建設系の総合問題[3]

53~65が13問が施工管理の必須問題[13]


あ、これ、究極の話ですが、法規と建設系と施工管理の配点で25問あるので、究極ここだけ満点なら、合格(24点)するんじゃ?

そう思って、過去問をやってみたところ・・・


合格しました(27点)。

え?

1~12、0点だったのに受かりました。

まぁ運の要素もありますが、これ、たぶん施工管理技士を僕が2つ持っているのが大きいです。なんなら、一種電気工事士も持っているので、法令関係とか安全衛生関係はなんども試験やってるので。

なので、まずは施工管理に関する勉強をすることをおすすめします。

施工管理系問題なら、ほかの資格の過去問をやるのもいいと思います。

とりあえず、計算問題は捨てましょう(爆)。


東京オフィスからは以上です。

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