台湾がCOVID19を抑え込めたのは、デジタルのおかげでも独裁政治のせいでもないこれだけの理由

こんにちは。

倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です


今、青森に向かう新幹線の中でこの記事を書いています。

守秘義務案件なので詳細は書けませんが、久々の現場赴任なので、経過はできる限りブログに書いていこうと思っています。


さて、移動も長いので、駅でPRESIDENTを買って読んでいるのですが、なんと台湾の天才大臣オードリータンのインタビューが載っていてめちゃくちゃ面白かったです。

このインタビューだけでも780円の価値があります。(あとで調べてみますが、彼女のオンラインサロンとかメルマガが英語であったら加入したいくらいです)



日本では、台湾がコロナの押さえ込みに成功したのは、①冷徹なデジタル政策、と②強権的な制度的支配、だと説明されがちだと思います。

しかし、オードリータンのインタビューによれば、それは誤った認識のようです。


まず、オードリーはマスクの配布をキャッシュレス決済に限定しました。しかし利用者が4割に留まりました。高齢者が敬遠したのです。

そこでオードリーは、マスク配布の制度を、健康保険証を持って列に並ぶ時間がある高齢者と、デジタルに精通し忙しい若者たちに分けました。

この時点で思ったのですが、国民皆保険の日本でも、これと同じことは容易にできたはずです。

つまり、日本でマスクを一斉配布という形でしか配布できなかったのは、言われているようなITの普及の遅れと言うより、縦割り行政のような、システム的な問題だということがわかります。


また、マスクの在庫マッピングというシステムをオードリーが主導したのですが、これは、8000人のデジタルハッカーが所属するslackのチャンネルでオードリーが呼びかけ、ボランティアで出来上がったものだそうです。

日本でも昔の2cnなら同じようなことができたかもしれません。


印象的なのは、この若干36歳のIT担当大臣が、「デジタルファーストではうまくいかない」と言っているという事実です。


『重要なのは問題を処理する順序です。デジタルファースト、まずデジタル技術を使うという考えでは問題は解決しません。まず対面あるいは紙ベースでしか対応できない人について対応をして、その方式を進める中でより便利で早い方法を使いたいという声に対応することが大切です』


これは重要な示唆で、前半の「対面あるいは紙ベースでしか対応できない人について対応」したからと言って、「より便利で早い方法を使いたいという声に対応すること」は矛盾することではないということです。

日本ではどうしてもデジタルvsアナログの2元論になりがちですが、オードリーの成功は、この棲み分けを意識したものであることがわかります。


『私はデジタルから遠い人たちがいつかいなくなるだろうとは思いません。デジタルを学ばないと時代に遅れてしまうよ、という態度は絶対に取りたくありません。デジタルデバイドを埋めるためには、何か一つ二つのことをやればいいということではなく、誰も置き去りにしないインクルージョンな考え方がなけれならないということです』


耳が痛い話です。

僕は、会社ではどちらかと言ばデジタル化を推進する立場にあります。なので、このオードリーの言葉は胸に留めておく必要があるなと思いました。

ITを推進するという事は、別にIT以外のものを排除するということではないということですね。また、当初キャッシュレスに絞った対象を即座に広げたように、初めてやることなのですから反応を見て臨機応変するというのも重要なことだと思いました。


東京オフィスからは以上です。

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