あるところに一人の天才がいました

こんにちは。
倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。



あるところに一人の天才がいました。
天才は、はじめはどこにでもいる夢みがちでちょっぴり過激な若者に見えました。
しかし、彼は普通の夢みがちな若者ではありませんでした。
彼は、この世はすべてコンピュータのシミュレーションであると信じるくらい、かなりイカれた若者でした。

彼は宇宙に行きたいと思いました。しかし普通に宇宙飛行士になるのは大変な確率で、一生を捧げても宇宙飛行士にはなれないかもしれません。なので彼は宇宙船を作る会社を作り、今ではNASAの代わりにロケットを飛ばしています。

ある時彼は、自動車がエンジンさえ積んでなければ、めちゃくちゃ格好いいスポーツカーを作れる事に気づきました。なので電気で走るスポーツカーを作りました。物凄い値段なのに、スポーツカーは予約販売であっという間に完売しました。路面店が一店もないのに、HPの告知だけでいつも完売するほど人気になりました。
ついにその会社は、時価総額でトヨタを抜きました。

そして天才は考えました。
世界中でネットフリックスを見たり、Twitterでツイートしたりできないのは不便で考えものだ。
インターネットはめちゃくちゃクールだが、世界中を光ファイバーケーブルで結ぶ必要がある。
携帯電話は非常に便利だが、地球上に隈なく基地局を作るのは大変な難事業だし、世代が進むごとに更新が必要で維持も大変だ。
人工衛星での通信なら世界中どこでも電波が届くが、世界中に商用ベースのサービスを提供するには12,000基の衛星を打ち上げる必要がある。
でも彼は自分でロケットを持っていました。そして自前でロケットを持っている通信事業者がこの世に存在しないことに気づきました。

天才の名を、イーロン・マスクと言います。


人類が70億人もいると、とんでもない人間が生まれるものです。12000基の小型通信衛星を宇宙に打ち上げ、地球全体にインターネットを供給する「スターリンク計画」。
このマンガの設定のような計画が現実に展開されていて、しかもすでに1ヵ月に180基程度コンスタントに上がっていて、すでに2000基程度が宇宙に浮かんでいます。
先日、限定応募、月99$で限定商用サービスを開始(!?)したところ、既存のキャリアの95%よりも品質で上回っていました。

今後5年〜10年以内に、地上から、携帯電話基地局や光ファイバー網の意味が失われる可能性があります。
理論的には、どのキャリアもイーロン・マスク率いるスペースXには勝てないでしょう。
宇宙に打ち上げたロケットを地球に帰還させる技術を持っているのは、同社だけです。

僕の人生のうちに、ブロードバンドの普及と、携帯電話網の普及、そしてそれらの全滅とスターリンクの台頭を見ることになりそうです。

中国も指を咥えて見てはいないでしょう。

世界の変化は、僕らの想像も常識も超えて進んでいます。


東京オフィスからは以上です。


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