風邪を引くと本を読む時間が出来る 『銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド』

こんにちは。
倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。

風邪を引きました。

息子の風邪がもろに感染りました。最初は鼻炎のような症状だったのですが、火曜日の夜高熱が出て息苦しくなり、どんなに温まっても悪寒が止まらず、やべー、死ぬと思いましたが、どっこい生きていました。
基本的に丈夫に出来ています。

一晩寝て熱が下がったのでコロナやインフルではなさそうです。僕は年に一回くらい高熱を出して寝込むことがあり、どうやらそれが出張中に来たようです。
うちに帰ったら息子に文句を言おうと思います。
#一歳児


さて、まだちょっと頭が朦朧としているのですが、ちょっと思いついたことがあるので記事にしておきます。

最近、「銃・病原菌・鉄」という本を読んでいます。ヨーロッパ社会がそれ以外の社会を征服したことは、どうしてその逆ではなかったのか、というテーマなのですが、めちゃくちゃ面白いです。
まだ最初の方しか読めていないのですが、その中でとても衝撃を受けた記述があったので紹介します。

北米のネイティブアメリカンやオーストラリアのアボリジニは、家畜を持っていません。ユーラシア大陸や、人類の起源であるアフリカ大陸では家畜は普通なのに、どうしてなのでしょうか。

答えは、大型の哺乳類を絶滅させてしまったから。

地続きのユーラシア大陸では、人類は徐々に狩猟技術を発達させ、進化の過程の中で、動物たちもそれを学習し、人間を警戒するようになりました。狩猟は大きなリスクを伴うし、成果が上がらないこともあるので、アフリカやユーラシアの人類は工夫して野生動物を家畜化することを覚えました。

しかし、アメリカとオーストラリアでは事情が違いました。
長く他の大陸から隔絶されていたそれらの土地では、アメリカでは1万1〜2千年程度前、オーストラリアでは4万年程前に、大型哺乳類たちは突然武装した人類と遭遇しました。

動物たちは、人類を知らなかったので、完全に無警戒で無防備にその姿を晒していました。逆に人類は圧倒的な技術と殺意で容易に動物たちを殺すことが出来ました。
あまりにも簡単に狩猟が出来るため、人類はそれらの動物を殺し尽くしてしまったのです。

それらの土地では、大型の家畜がいないため、大規模農耕が発達しませんでした。余剰生産物が生まれないため、人口も増えませんでした。
結果として、数万年後、他地域の人類に支配されるようになるわけです。

彼らは、他地域の人類が得られた経験値を得ることが出来ませんでした。農耕技術、歴、冶金、政治、などなど。
全員参加型の狩猟採集民族は、学者や政治家を養う余裕がありません。
僕はこのことは、ものすごく示唆的だと思いました。

日本の技術は、ガラパゴス、と呼ばれることがあります。大陸から隔絶されたガラパゴス諸島が独自の生態系を持つように、日本の技術は日本の規制や制約に縛られた、他国では通用しないものになってしまうことを揶揄する表現です。

僕は日本のことをとても心配しています。
日本は国内市場が半端なく大きい国でした。
なので、サービスも製品も、国内市場向けに作られました。海外の方を向かなくても、それで商品が売れたからです。
日本の貿易依存度は20%未満でしかありません。
その間も世界人口は増え続け、80億に迫ろうとしてます。僕が小さい頃は50億人でした。
中国が台頭し、東南アジアももはや貧困国とは言えないほどの目覚ましい発展を遂げています。

日本人は、大型哺乳類を食べ尽くしたネイティブアメリカンやアボリジニのようにならないか。
本来得るべき経験値を得ないまま時間が過ぎ去ってしまうのではないか。

なるべく多くの情報に触れ、なるべく多くの人と関わりましょう。
できれば、日本以外の言葉や文化に親しみましょう。

あなたが、あなたとあなたの大事な人を守れるように、出来る限りのことをしましょう。

東京オフィスからは以上です。

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