茨城県補完計画 第四話 怪物、落合陽一

 


落合陽一という人を知っていますか?テレビで見たことある、という人や、本を手にとった事がある、という人や、個展に行ったことがある、という人や、大学で指導してもらったことがある、という人がいるかも知れません。

これは、落合陽一というのが割と日本ではありふれた名前で、同姓同名の落合陽一がたくさんいるわけではなく、たった一人の人間の露出の仕方です。

本人は、自分のことをメディアアーティストと称しています。

この時点でわけがわからない人も、がんばってついてきてください。

#私もこの時点でわけがわかりません


落合陽一さんは多岐にわたる活動をしており、よく何をやっているのかわからないと言われるらしく、自らnoteで自らの活動をまとめています。

解釈によって情報が曲げられやすい性質の人なので、ご自身の言葉をnoteから引用させていただく形で紹介します。


メディアアーティストと名乗っているけど,メディアアートって何? という人に簡単に説明すると,「表現の媒体そのものの構築も表現にしてしまおうと考える一派がおりまして,そういった人々をメディアアーティストと呼ぶことがあります.例えばロボットを動かしたり,ディスプレイにプログラムで映像を出したり,遺伝子を改変したり,SNSを使って活動したり,とやり方は様々で,表現をするジャンル」と答えています.メディアそれそのものを表現対象にするっていうのが好みで,僕はこの道に進みました.


アーティストとして大切にしていることを一言で言えば,「物化する自然と情念」です.自然の中でアナログ/デジタルを越境したときに見せる解像度の美とか人工・天然にかかわらず変遷するマテリアルの素材性とか,人の積み重ねた残存する情念とかポスト工業社会と自然の接合による美学とクラフトとかそういったものに目を向けながら,荘子の物化や計算機と自然や,記憶や情念について考え続けています.

 

テクノロジーやメディア論を考えながら社会に対峙し,作品のコンテクストを考えるというのもメディアアートの重要な観点だと思うので,社会科見学だと思いながら多くのトピックを勉強しつつ本を書きつつと生きています.

今までに12冊の本(本稿執筆時の2019年当時)を出していますが,著書の累計発行数が大体100万部を超えたこともあり,2019年になってからは自分の興味あることしか書かないと決めています.


今までに,内閣府知的財産ビジョン専門委員とか東京都ビジョン懇談会メンバーとか厚生労働省未来イノベーションワーキンググループ委員とかxRコンソーシアム理事とか公益社団法人日本フェンシング協会委員,ムーンショットビジョナリーメンバー,オリパラ文化イベントの委員,万博有識者委員…他色々,(たくさん抜けてるのでだれかコメントください)などをやってきましたが,2019年はオリパラ系,ムーンショットと万博の比重が大きかったように思います.


 2015年に東大の博士課程を早期修了して,2015年5月,27歳のときから筑波大で教員をやっています.筑波大学は学部時代にメディア芸術を学んだ出身校ということもあり愛着があって,また世界的に見たときにメディアアートのレジェンドを多く産んだ場所でもあり(ジョン前田が博士をとったり,河口洋一郎先生や山口勝弘先生などレジェンドも多い),僕みたいなメディアアーティストが属するには最適な大学の一つだと思っています.


ということで、だいたいこういうプロフィールの持ち主なのですが、わかりましたか?わかりませんね。私もさっぱりわかりません。

#おい

たださっきも書いたように、私なりの解釈でこの人を語ると、色々曲がって伝わってしまうので私の感想は割愛します。それ自体がアートということなのでしょう。


さて、前置きが異様に長くなりましたが、茨城県補完計画の文脈で大切なことは、この怪物が筑波大学の准教授である、という事実です。大学でやっていることは(他の活動に比べてれば比較的、あくまで比較的に)わかりやすいのですが、デジタル技術の社会実装がテーマの一つです。指向性スピーカーや自動運転車椅子などが有名です。

落合陽一さんは行動する天才なので、大学の研究予算が十分でないとわかると、自らの会社から大学の研究室に出資する形で研究を行っています。

最初から自分の会社でやればいいんじゃねーかと思わないでもないのですが、それ自体がメディア・アートということなのでしょう。

#都合が悪くなるとアートとかいう


落合陽一さんの会社、ピクシーダストは2019年につくばみらい市にオフィスを解説し、昨年、つくばみらい市と包括連携契約を交わしました


つくばみらい市では、先端技術の活用による地域課題の解決を目指し、茨城県「Society5.0地域社会実装推進事業補助金」の活用を決定。その一環として、市内2カ所の介護福祉施設で当社が「テクノトープ」にて開発を進めている自動運転車いす「xMove™(クロスムーブ)」の実証実験を行うこととなりました。加えて、高齢者及び障がい者の支援にとどまらず、包括的な連携のもと、農業振興をはじめとするつくばみらい市の地域課題解決に取り組み、市民生活の利便性向上及び地域活性化に資することを目的とし、このたびの協定締結にいたりました。


落合陽一さんはすでに茨城県つくばみらい市で、社会課題の解決のためにデジタル技術を実装する試みに参加しており、今後の活躍が期待されます。
つくばみらい市と茨城県は、落合陽一さんをかなり上手に引き込んだと思います。

今後人口が減っていき、明らかにGDPが下がっていくであろう茨城県では、生産性を上げイノベーションを高めていくしかありません。
落合陽一さんが自ら示している、デジタル技術の社会実装は絶対に必要な視点です。

次回は最終話として、当社自身のプランについて書こうと思います。

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