こんにちは。
倉持建設工業、東京オフィスの山崎です。
日本の建設業界は、国土交通省が認める通り、この30年間一貫して生産性が向上してきませんでした。かつて世界で最高峰だった日本の建設技術は、海外の水準では使い物にならなくなり、高価格の割に納期が長く、品質が著しく素晴らしいわけでもありません。
アメリカの仕上げは汚い。中国は欠陥工事だ。日本の施工技術は職人技だ。
そんなことを30年も言い続けた結果がこのザマです。
設計管理も安全管理も品質管理も工程管理も日本流。
なので海外の技術や規格とのマッチングができず、結果として日本の建設市場は外資から守られてきました。
しかしその時代も終わりつつあります。
あらゆる業種がそうであったように、建設業もまたグローバル化の流れには逆らえないのです。
再生可能エネルギー導入の大きな流れが、建設業界に対しての最大の外圧となっています。
未だに日本では再エネ電源のコストが高すぎる、という10年前の常識を基にした周回遅れの議論がされていて辟易しますが、海外では再エネが火力発電のコストを下回ることは常識です。もちろん環境規制や炭素取引がなければ、石炭が最安でしょうが、そんなありえない前提は無駄です。原子力発電も単純コストでいえば火力をしのぐコストパフォーマンスですが、社会コストが高すぎて導入は困難でしょう。これも、正確な科学知識が広まれば~という仮定の議論は無意味です。
現時点で再エネがもっとも低コストで問題が少ない(もちろんゼロではない)電源であることは認めるべきです。
そういった世界の流れに乗り、日本も遅ればせながら政治が脱炭素に全力で舵を切っています。もはや、再エネの流れは一過性のものではありません。今後も長期にわたって、太陽光や風力といった電源は世界中で導入され続けるでしょう。
もちろん、この日本においても。
しかしながら、この日本において、海外ファンドが投資するような大規模な再エネ発電所は、そのほとんどが海外の仕様、海外の設計、海外のパフォーマンス保障によって成り立っています。そして、それらの仕様でプロジェクトを組成できるノウハウが日本にない以上、今後もその流れは続くと思っていいでしょう。
日本の建設会社はぼーっとしている間に、国内の再エネ発電所を自国で開発できなくなってしまったのです。今後もっとも成長が見込まれる再エネの分野について、日本は今のノウハウがないばかりではなく、今後のノウハウも蓄積していける見込みがありません。
すでに日本ではスペインを筆頭に多くの建設会社が活躍し、日本の国土に外資の発電所を無数に開発しています。
外国人がそんなことをするなんてけしからん、と憤慨すれば溜飲が下がりますか?
外資規制でも作って海外の企業を締め出しますか?
僕たちがするべきことは、そんなことではないはずです。
戦後、トヨタやソニーや松下を生んだのは、日本の伝統や日本人らしさや職人気質などではありませんでした。
アメリカの進んだ技術を積極的に取り入れ、猛勉強し、あんなに立ち遅れていた日本を猛スピードでキャッチアップさせ、高度経済成長を遂げたのです。
今私たちがすべきことは、海外の技術をもう一度学びなおすことです。
現時点で日本が遅れていることは、認めてしまえばよい側面もあります。
学びさえすれば追いつけるという点です。
倉持建設工業は、そんなことをやっています。真面目に仕事をやっていないとか、地元の仕事を大事にしていないとか、いろいろ言われていますが、これでもこの国のことを考えてやっています。
僕たちは爆速で成長し、きっとこの国を代表する建設会社になってみせます。
東京オフィスからは以上です。
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