コロナが壊した世界、生み出す世界

こんにちは。
倉持建設工業、六本木オフィスの山崎です。



最近、銀行さんとあるプロジェクトを企画しています。
内容はまだ明らかにできませんが、コロナ禍の中で何かを企画することに、これまでとの変化を感じています。

コロナ前まではインバウンドとかナイトエコノミーとかいう言葉が咲き乱れていたことがご記憶にありますでしょうか?
コロナによって木っ端みじんに粉砕されましたが、コロナ前の世界では十分に理屈に叶った企画でした。
しかし、外国人観光客やお酒をともなう飲食をターゲットにしたビジネスは、今後2~3年は立ちいかないと思います。
これはコロナ禍がワクチン接種によって収まったとしても、銀行が融資を再開するのにかかる時間を考えれば、もっと長いかもしれません。
5年で回収できる融資を企画するのに、5年間の間に次のパンデミックが来ないという保証ができないからです。

今後しばらくは、「遠方からの観光」、「家族以外との夜の飲食」、「集団で集まるイベント」といったキーワードが含まれる企画に対しては、銀行の融資が下りるのはむずかしいのではないでしょうか?

ただ昨日考えたのは、そうは言っても、人々が海外旅行やナイトエコノミーに浮かれていた、本質的な欲求が消えたわけではないのではないか、ということです。
例えば海外旅行。
それは、見たことのないものを見たい、体験したいものを体験したいという欲求だと思います。知識だけならYoutube見てれば十分なわけですが、人には、直に見たい、体験したい、という欲求があります。
例えばナイトエコノミー。
食べるだけならカップラーメンで十分ですが、人には誰かと一緒に食べたい、話したい、誰かに自分を見つけてほしいという欲求があります。

こうした欲求の解決には引き続き需要があるはずで、「遠方からの観光」、「家族以外との夜の飲食」、「集団で集まるイベント」を伴わない形での充足はビジネスになるはずです。

例えば星野リゾートは、星野社長がコロナの感染が広まると同時に、インバウンド向けの戦略を、一気にマイクロツーリズムへの切り替えました。マイクロツーリズムとは、市内とか県内とか、長距離の移動を伴わない旅行です。星野リゾートは、近所に未体験で快適な空間を作り出すことで、「遠方からの観光」を伴わない観光を継続し、かつ家族やよく見知った人同士の旅行需要によって、「家族以外との夜の飲食」を伴わない酒類の提供を行っています。

今、日本中でカフェが増えていますが、コロナ禍でもカフェで誰かと過ごすことは咎められない感じがあります。あまり大声を出すようなこともないし、カフェでクラスタという話も聞きません。
それでも、誰かと一緒にいたいという欲求にこたえているのだと思います。

以前と同じ世界に戻れるかはわかりませんが、コロナをきっかけに、より多様な価値観が生まれるような気はしています。

六本木オフィスからは以上です。

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