非FIT電源の時代

こんにちは。

倉持建設工業の山崎です。


日本においても、非FIT再エネ電源の確保が重要だという認識が、徐々に拡大してきています。私の備忘録もかねて、以下に非FIT再エネ電源確保の取り組みを行う企業についてまとめておきます。

1.伊藤忠商事


伊藤忠商事の社報によれば、「伊藤忠商事は、株式会社クリーンエナジーコネクトの第三者割当増資を引受け、資本業務提携契約を締結」したそうです。

クリーンエナジーコネクトのHPを見ると、非FIT再エネ電源の開発と供給に力を入れており、すでに日本生命や清水建設への生グリーン電力を供給する契約を締結しているとのこと。

中核メンバーが元東京電力社員や大手商社のエネルギー担当者という布陣になっており、強力なアグリゲーター(電力ブローカー)としての地位固めをしている印象です。


伊藤忠の社報に戻ると、「本提携を通じて国内で最大規模のコーポレートPPA運営事業者を目指すと共に、当社が進める再生可能エネルギー・蓄電ネットワークの取り組みを加速し、再生可能エネルギーを活用した分散型電源のプラットフォームを構築」することを目的としています。


コーポレートPPA事業とは、企業に対して電力の直接供給を行う事業であり、一昔前なら東京電力等電力会社の独占事業でした。つまり、伊藤忠は国内最大の電力商社を目指す考えです。


伊藤忠によれば、クリーンエナジーコネクト社は、「再生可能エネルギーの調達手段が複雑化する中、企業のお客様にとって最適なグリーン電力導入の計画立案から実行支援、そして導入後の効果検証および目標達成までのグリーンソリューションをワンストップで提供」できる会社であるということです。


つまり、各企業のSDGsや電力のグリーン化の担当者にとっては、クリーンエナジーコネクトに相談すれば、再エネの調達から脱炭素の進捗や効果の検証まで、そっくりやってくれるということなのでしょう。


伊藤忠商事はその豊富な資金とネットワークを活用してクリーンエナジーコネクトの事業を支援し、脱炭素時代の覇者となるつもりのようです。

伊藤忠は昨年、中堅ゼネコンの西松建設の筆頭株主にもなっており、企画、設計、開発、施工、管理、PPAという、すべての事業チャンネルをその手中に収めたとも言えます。




2.Zエナジー


聞いたこともない社名だ、という方も多いと思います。

Zエナジーは、NTTアノードエナジー、大阪ガス、三菱UFJ銀行、常陽銀行、東京海上日動火災保険、百五銀行、三菱重工業、三菱総合研究所、ゆうちょ銀行、の9社が出資する再エネファンド会社で、昨年9月に設立されました。

HPによれば、「再エネ電力を「つくる」から「つかう」までつなぐファンド」。

「日本のカーボンニュートラルに貢献するファンドとして、再エネ電力を『つくる』発電事業に投資し、その上でGP株主が自社や関係先で再エネ電力を『つかう』まで一気通貫まで実施することで、再エネ拡大の課題解決を目指します」

とあるので、再エネ開発会社に資本提供して再エネ電源の開発を促し、9社のネットワークでPPA先を見つけてくるというビジネススタイルのようです。

ただし、同HPによれば、現在は4ステージからなる事業構想の1ステージ目であり、FIT電源への投資を行っている段階。その後段階的にファンドを成長させ、3ステージ目から非FITを取り扱うプランである様子。

将来的にはPPA等の事業を行う計画ですが、現状はFITと非化石価値の販売が主な収益源になるようです。



3.イオン


言わずと知れた日本最大の流通企業、イオングループですが、脱炭素にも非常に積極的な企業として知られています。

同社のプレスリリースによれば、「2030年までに日本国内の店舗で使用している年間 約71億kWh(2020年度)のうち、50%を再生可能エネルギーに切り替える目標を、新たに定め」たそうです。

これは、2050年までに全店舗の電力を再生可能エネルギーに切り替えるとする同社の中間目標ですが、加えて店舗だけではなく、「サプライチェーン全体で脱炭素社会の実現を目指」すとしています。

イオンが2018年に策定した「イオン脱炭素ビジョン2050」によれば、イオンのCO2排出量の90%が電力由来であり、その消費量は、日本全体の約1%に相当するそうです。

この壮大な目標の具体策として、イオンは自社の省エネ化、エネルギー管理の徹底、イオンモール等施設への太陽光パネルの積極的な設置に加え、子会社のイオンディライトを使って、地域の電力事業、小売事業を推進していくとしていて、イオンモールを中心としたアグリゲータービジネスにも参入していくようです。

流通の巨人の動向は、今後も日本の脱炭素の進捗に大きな影響を与えそうです。



六本木オフィスからは以上です。


コメント