円安がもたらす抗えぬ未来

こんにちは。

倉持建設工業、六本木オフィスの山﨑です。



記録的な円安が続いています。

日本はインフレ、資源価格高騰といった世界的な問題+円安ですから、相当にきつい状態におかれようとしています。

一方で、アゴラ研究所(インターネット上の言論メディア)所長で経済学者の池田信夫氏から面白いエントリーがあったので紹介します。

1ドル=150円で日本経済はよみがえるか


以下引用です。

日本の土地や実物資産が割安になるので、ハウステンボス買収のような対内直接投資も増え、国内の需要不足を海外投資で埋めるイギリスのような構造になるだろう。それは人口の減少する老大国としては、悪いことではない。

1970年代には1ポンド=800円台だったが、今は165円である。ポンド安でイギリスには世界から投資が集まり、金融市場の中心になった。

一見すると、衰えていく日本という国にとって吉報のような記事ですが、これはこれまで東南アジアや中国が選択されていた「安く工場を運営できたり、観光地として遊べる国」についに日本が仲間入りする、という論旨です。

かつての日本は世界2位の経済大国で、安い工場立地と人件費を求めて企業が世界中に進出しました。そうした先人のお陰で、今でも対外純資産は世界一を誇ります。

しかしそれも今は昔。今回のウクライナ危機。円は安全資産と見做されず、堰を切ったような円安が止まりません。

日本は、海外から資源を輸入しなければ生きていけない島国です。最大の問題はエネルギーで、世界中でロシアに頼らないエネルギーの争奪戦になっている中、日本が今後も安定的に石油や天然ガスを確保できるかは分かりません。再生可能エネルギーは変動が大きすぎてベースロードとしては当てになりませんし、この10年で大幅に立ち遅れた原子力産業が復活できるかも分かりません。

すでに脱原発を標榜していたドイツでは、10倍近い電気代となっており、脱原発という夢がロシアという資源国の上に成り立っていた砂上の楼閣であったことが明らかになってきました。

もっとも世界を席捲しているインフレは供給不足というよりは、サプライチェーンの問題でしたので、収束の気配を見せています。

しかし、一度上がった価格が下がるわけではありません。

世界中が、ロシアの件でチャイナリスクへの警戒を強めており、西側の強力な同盟国である日本は、円安で割安になってれば猶のこと、非常に魅力的に映るでしょう。

しかしそれは日本の復活を意味するわけではないと思います。日本が、他国の資本と人材を受け入れて、他国からの出資で回していく普通の国になるということです。

それが悪いことであるとも思いませんが、大きな変化であることは間違いありません。

今までの日本人然としたマインドセットは通用しなくなり、外国企業に対応できる企業・個人と、そうでないものとの差が著しく開くでしょう。

政治、経済、教育、倫理観、伝統、芸能、街並み、コンビニの品揃えから住宅の形状まで、あらゆるものが変わっていくのでしょう。

こう言った話はこの2年間ずっとこのブログで書かせて頂きました。

その時がついに来たということだと思います。

僕たちにできることは、少しでもそういう時代に備えるということだと思います。

六本木オフィスからは以上です。

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