インボイス制度と電帳法が変革する建設業 ①中小企業の不都合な真実

ヒューマンタッチ総研の2020年の経済センサス調査(BUITの記事)によれば、建設業者が約43万社いる中で、従業者数が4人以下の企業が71.4%を締めるそうです。

内閣府の統計を調べると、2019年の数字ですが、建設業従事者の総数3,011,621人に対して、従業員4人以下の企業に属する人数は、159,274人です。

調べていてぞっとしましたが、71.4%の建設業者が、わずか5%の人材で回されていることになります。

また、同記事によれば、従業員数5人以上20人未満の人が働く企業の割合は23.5%ですので、20人未満の企業に勤める人の割合は、実に95%です。当社の従業員数が25名ですから、必ずしも大きな会社とは言えない当社くらいの企業ですら、この貴重な5%に含まれます。

またここで内閣府の数字を見ると、5~19人の従業者規模の企業に所属する従事者の数は、912,975人で、全体でいえば、ざっくり100万人の人が全体の95%の企業に属しています。

つまり、建設業従事者の3分の1の人が、95%の企業に所属しており、3分の2の人は、5%の企業に属していることになります。

これは、よく言われる、多重下請負のピラミッド構造とは矛盾します。

むしろ、建設業界は、その従事者数でみると逆ピラミッドの構造をしていると考えられます。



◆企業規模別の企業数の割合。おそらく一般のイメージ。



◆企業規模別の予測従事者数の割合。驚くべき逆ピラミッド。





一般に企業規模と売上高は比例します。

ちなみに内閣府の数字で従業者規模別の完成工事高を見てみます。全体の完成工事高94兆円のうち、従業員数4人未満の売上高は約2.8兆円。従業員数5人以上20人未満の完成工事高は約17.7兆円。つまり、従業員数20人以上の完成工事高は、約73.5兆円。78%の完成工事高を、5%の企業が稼ぎ出していることになります。




日本の産業は中小企業が支えているという直感にかなり矛盾するグラフです。ですが、内閣府の数字が示す事実です。

次回は、この中小企業に襲い掛かる抗えない大きな変化について書いていきます。








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