帝国、Amazonが侵略する9つの業界

こんにちは。

倉持建設工業、東京オフィスの山﨑です。

GAFAと呼ばれるIT巨大企業たちがいます。

Google(Alphabet)、Amazon、Facebook、Appleの4社の巨大企業を指してそう呼びます。

これらの企業は、(Apple computer時代のAppleを除いて)、この30年間に台頭してきた企業という意味で異質です。驚異的なスピードで世界を席巻し、帝国を作り上げてきました。

GAFAの時価総額だけで、東京証券取引所の上場企業時価総額の70%に達します。

30年前にはGoogleを知っている人すらいませんでした。Facebookのザッカーバーグなど30年前は小学1年生ですからね。

中でもAmazonは特異な会社です。

(機器メーカーでもあるAppleは別として)GoogleやFacebookが基本的には広告ビジネスであるのに対して、Amazonは独自のECサイトと配送網を世界中に配し、現実世界に巨大な市場を自ら持っています。アメリカでは現実世界の実店舗を展開したり、生鮮食品を配送したり、動画配信サービスを提供したりと、そのサービスも今や多岐に渡ります。

Amazonは他のGAFAと比べても、現実世界への侵攻に適した企業であると言えます。今日は、日経新聞の米Amazonが次に「破壊」する9つの業界というコラムを紹介します。


コラムでは、以下の5つの業界を今まさにAmazonが破壊しているとしています。

Amazonが今後5年で破壊する業界

1.処方箋薬局
2.中小企業向け融資
3.物流
4.生鮮食品
5.決済

この内、1.処方箋薬局は、米国Amazonではピルパックというサービスがあり、一回一回に服用する量で小分けにされた処方薬をAmazonが配送するサービスを行っています。アメリカの処方箋薬局も、日本と同様、規制でガチガチでしたが、Amazonはひとつひとつ着実にハードルをクリアし、不可能と言われた処方薬の配送を可能にしました。
2.中小企業向け融資はAmazonレンディングというサービスで、Amazonで取り扱う商品の53%を提供する外部企業向けの融資枠で、ECの売上から天引きされる仕様で返済も自動化されています。与信判断は、これまでのAmazonでの売上実績や顧客データなので、世界中でもっともAmazonが信頼を置ける与信だと言えます。
3.物流は日本でも東京ではAmazon独自の配送員が配送を行うケースが増えました。米国では3分の2が自社の配送員で賄われているそうです。米国では航空機による輸送も多いのですが、Amazonエアーという航空機輸送会社を持ち、50機以上の航空機を保有し、専用の空港もあります。
Amazonの物流倉庫内ではロボットが在庫管理をしていますし、ラストワンマイルと呼ばれる、地域の配送拠点から注文者までの配達も、ドローンでの配送に莫大な投資を行っています。
4.生鮮食品は日本でも話題になったAmazonフレッシュがコロナ禍で絶好調であり、5.決済ではAmazonペイ、Amazonキャッシュ、Amazonザデビッド、Amazonリロードに加えて、無人自動決済店舗であるAmazonゴーの開発も進んでいます。


次に、コラムでは今後Amazonが進出する可能性がある4つの業界を上げています。

Amazonがその次に進出する可能性がある4つの業界

1.保険
2.高級ファッション
3.スマートホーム
4.園芸

こうしてみると、Amazonは、スマートホームECサイトを支配することで、顧客の生活スタイルや需要などのデータを蓄積し、通販、生鮮食品、処方箋薬品、高級ファッション、ガーデニング自社の配送網で配送し、貨物への保険は自社で賄い、時には実店舗で販売し、その際の決済手段も提供する。サプライヤーである中小企業には手厚く融資を行い、社会全体がAmazonに依存していく。

いずれ、Alexaなしでは、自分が何がほしいかもわからなくなった頃、人は「これは大変だ」と思うでしょうか?
僕は逆に、「なんて便利なんだ」と思うと思います。

帝国の侵攻は静かに、しかし着実に進んでいます。

東京オフィスからは以上です。

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