こんにちは。
倉持建設工業の山崎です。
これまで、なぜ倉持建設工業が再生可能エネルギーの導入に積極的か、あまり触れてきませんでした。これから折を見てお話ししていければと思いますが、今日は「地球はどのくらいやばいのか?」ということをお話ししたいと思います。
地球はどのくらいやばいのか?
グレタ・トゥーンベリの怒りのスピーチ
2019年、国連の気候変動サミットに登壇したスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリは、後に伝説となる怒りのスピーチを行い世界を驚かせました。
多くの人たちが苦しんでいます。多くの人たちが死んでいます。全ての生態系が破壊されています。私たちは大量絶滅の始まりにいます。
それなのにあなたたちが話しているのは、お金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか!
当時多くの大人が彼女の言葉を非現実的だと非難しました。大人の事情を分からない子供のたわごとだと。
しかし実際には世界が選んだのは彼女の非難であったと言えます。今や世界中がESG投資やSDGsと言ったキーワードであふれかえっています。ニヒリストは結局はマネーゲームをやっているだけだと皮肉るでしょうが、それでも、投資対象に環境対策を第一に求める姿勢は、これまでの人類では持ちえないものでした。
さて、これほどまでに環境への世界の意識が変わったのは、彼女たち活動家の影響ももちろんあるでしょうが、それ以上に、対岸の火事だと思っていた環境問題が実際の生活を揺るがし始めている事実が大きいのではないでしょうか?
深刻化する気象の極端化
今年のノーベル物理学賞は、ある意味で世界を驚かせました。日本にルーツを持つ真鍋淑郎氏ら3人が受賞したからです。研究内容は「気候変動の予測」という、本来物理学とは関係ないものでした。それほどまでに、気候変動に対する世界的な関心が高まって言います。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書では、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と記されました。
少なくとも世界の科学者の大多数は、人間の活動が地球を温暖化していると断定しました。さらに、「広範囲にわたる急速な変化が、大気、海洋、雪氷圏及び生物圏に起きている」とし、「極端な降水」や「強い熱帯低気圧」といった気象の極端現象をもたらしていると記載されました。
世界の人々の目を覚ましたのは、この気象の極端現象だと私は考えています。
日本でも毎年これまででは考えられない降雨量によって全国各地の河川が決壊したり、土砂崩れなどの大規模災害が起きています。そしてこれは日本だけではありません。
世界気象機関(WMO)は2021年8月31日、暴風雨や洪水、干ばつといった世界の気象災害の数が過去50年間で5倍に増加したと発表しました。
ここ数十年で地球の気温が上昇したことで、異常気象や極端な降水量による災害の数が大幅に増加している。
WMOが発表した、災害の規模を示す最新の評価によると、1970年から2019年までの50年間で1万1000件以上の災害が発生。200万人以上が死亡し、経済損失は3兆6400億ドル(約400兆円)に達した。
「これは、欧州や北米で最近観測されたような熱波や干ばつ、森林火災が増加していることを意味する。また、大気中の水蒸気量が増え、極端な降雨や致命的な洪水の悪化につながっている。海水温の上昇は、最も激しい暴風雨の発生頻度や発生地域に影響を及ぼしている」
これまで気候変動は、北極の氷が解けたり、どこかの島が沈んでしまうという、言わば世界のどこかで起きる自分たちには関係ないことでした。皮肉にも、危機が足元まで迫ってきて初めて、人類はグレタ・トゥーンベリの言葉に耳を傾け始めたのかもしれません。
地球はどうなるのか
IPCCの報告書は、科学的報告書であり、預言書ではありません。ここに書かれている事実を事実として我々は受け止める必要があります。
国際連合広報センターによれば、
1.温室効果ガスの排出を直ちに、急速かつ大規模に削減しない限り、温暖化を1.5°C近くに抑えるどころか、2°Cに抑えることさえ現実的でなくなる。
2.今後数十年のうちに気候変動がすべての地域で増大する。
地球温暖化が1.5°Cに達すると、熱波の増加、暖候期の長期化、寒冷期の短期化をもたらす。
地球温暖化が2°Cに達すると、猛暑によってより頻繁に農業と健康の耐性の臨界に到達する。
3.以下の深刻な変化がもたらされる
①気候変動によって水循環が高まり、降雨とそれに伴う洪水がより激しくなり、多くの地域で干ばつが深刻化する。
②気候変動が降雨パターンに影響を及ぼしていて、高緯度地域では降水量が増加する可能性が高い一方、亜熱帯地域の大部分では減少する。
③従来は100年に1度の頻度で発生していた海面水位の異常な現象が、今世紀末までに毎年発生する可能性がある。
④永久凍土層の融解、季節的な積雪の減少、氷河と氷床の融解、夏季における北極圏の海氷の減少が進む。
⑤水温上昇、海洋熱波の頻度増加、海洋の酸性化、酸素濃度の減少を含む海洋の変化は、人間による影響と明確な関連があり、これらの変化は、海洋生態系とそれに依存する人々の双方に影響を及ぼし、このような変化は少なくとも今世紀を通して継続する。
⑥市街地では、気候変動の一部の側面が増幅される可能性がある。これには、熱(通常、都市部はその周辺部よりも高温)、豪雨現象による洪水、沿岸都市における海面上昇が含まれる。
これはドラマや映画の話ではありません。我々が今直面している現実です。
六本木オフィスからは以上です。
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