正月早々気の重くなる話

あけましておめでとうございます。
倉持建設工業、六本木オフィスの山崎です。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。

せっかく新年なので、何か景気のいいことでも言いたいのですが、何も思いつかないので気の重くなる話をお届けしたいと思います。

(世界経済のネタ帳)
日本、アメリカ、中国のGDP(国内総生産)の推移です。2010年に中国に抜かれましたが、その最大の要因は、日本のGDPがこの30年横ばいでほぼ変わっていないことです。
ほぼ変わっていない、と書くと現状維持なんだからいいじゃないか、という声が聞こえてきそうですが、世界経済のGDP成長率は年5%程度なので、日本は対外的には毎年だいたい5%程度貧しくなって行っています。

日本が経済成長できない最大の要因は何か、ということに関しては議論がつきませんが、戦後最大の異次元の量的緩和が続けられ、政策的にも毎年国家予算が膨張している日本という国において、政府はもっとお金をくばるべきだ(需要不足が原因だ)、というMMTみたいな主張は成り立たないんじゃないかなと思います。
もしそうなら、日本のGDPはとっくに成長し始めているのではないでしょうか。
カネがないのではなく、使い道がないことが問題なのだと思います。

日本の人口は2012年をピークに下がり続けています。日本の人口はだいたい年間50万人くらい減少しています。一人年間200万円程度消費するとしたら、毎年1兆円くらい消費は減少していくことになります。
自分で計算しておいて怖くなりました。毎年一つの市場が消える規模の消費減少がおきるのですね。

毎年これだけの人数が減っていく国において、インフラ整備などの公共投資は回収が困難です。政府の積極財政に期待するのは無理筋というものでしょう。

ここで重要なのは、国内で1兆円の市場が消えるなら、海外で1兆円の売り上げを上げなくてはならない、ということです。
いやいや、日本はすでに輸出大国でしょ?そんな簡単に輸出を増やせるわけないじゃん、という声が聞こえてきそうですが、世界的にみれば、日本は全然輸出大国ではありません。

その国のGDPを貿易額で割ったものを貿易依存度と呼びます。GDPのうち、どの程度を貿易で稼いでいるかという%ですね。
貿易依存度が高いほど、その国は輸出に積極的だと言えます。

さて、2020年の日本の貿易依存度は、世界184位でした。
びっくりです。
世界でもっとも貧しい国と言われるバングラデシュよりも下の順位です。
その数値実に24.75%。
GDPのうち海外でたたき出している数字はたったの4分の1。
ちなみにドイツは66%、おとなり韓国は58.35%、国内に巨大市場を抱える中国ですら30.4%あります。
一位の香港にいたっては、300%越えと、異次元の数字ですね。

日本のメディアは長く、日本は輸出大国であると喧伝してきましたが、実態は巨大な国内市場を抱える「人口の多い国」でした。
今後はだんだん「人口の少ない国」になっていきます。
僕が何度もこのブログで日本人は国際化しないとだめだ、世界で戦えるようにならないとだめだと言っているのは別に僕の願望ではなく、データに基づいた事実です。

ただ日本の貿易依存度が低いというのはこれから上げ代があるとも言えます。

倉持建設工業では、今年も国際化に向けていろいろ頑張りたいと思います。

六本木オフィスからは以上です。

コメント